ロボットはどうやってステージに立つのか
公演ができるまで — パイプライン
K-POPロボット公演は、「振付のデータ化 → ロボットの学習 → 複数都市への同時転送 → 常設運営」という4段階のパイプラインでつくられる。
画面の中のAIがテキストを生成するように、Physical AIは動きを生成する。ただし、その成果物がファイルではなく、ステージ上の実際の動作である点が違う。ギャラクシーコーポレーションのロボット公演は、実在アイドルの振付から出発し、観客がチケットを買って席に着く公演として完成する、一つの技術パイプラインだ。
各段階は個別技術の羅列ではなく、「公演」という結果へと統合される。本稿ではそのプロセスを順を追って解説する。概念的な背景はPhysical AIホワイトペーパーを先に読むとよい。
振付をデータに — モーションキャプチャ
出発点は人の身体だ。実在のアイドルが踊る振付をモーションキャプチャで記録し、関節の角度・速度・タイミングをデータに変換する。人のダンサーの繊細なリズム感や動きの強弱までが数値化され、ロボットが学べる形の「デジタル振付」がつくられる。
この段階がロボット公演の品質を決める。ロボットがどれほど精密でも、学習する元データがステージ水準でなければ公演にはならない。実在アーティストのパフォーマンスを原本として使えること — エンターテインメント企業がPhysical AIに取り組む理由がここにある。
学習と群舞 — アイドル級の再現
デジタル振付は、ヒューマノイドロボットの動作に変換され、学習される。人とロボットでは関節構造も重心も異なるため、人の動きをロボットの身体に合わせて移し替えるプロセスが必要になる。学習を終えたロボットは、腕を振り、ビートに合わせて身体を弾ませる、アイドル級のパフォーマンスを再現する。
群舞はそこからさらに一段階進む。複数のロボットが同じ振付を同一のタイミングで実行しなければならないからだ。2026年5月の公開ステージでロボットたちは、ジードラゴン(G-DRAGON)とテミンの楽曲6曲に合わせて高難度の群舞を披露した — 個々のロボットの再現を超え、ステージ全体が一つのシステムとして同期した成果である。
ソウルで学べば、ドバイが踊る
ロボット公演の決定的な差別化要因は、学習の同時拡散だ。一つの振付を学習させれば、ネットワークでつながる複数都市のロボットが、同じステージを同時に再現できる。
「人は何度も踊って覚えるしかないのですが、ロボットなら韓国だけでなく、中国やドバイにいるロボットにもリアルタイムの同時学習ができます。ロボットの最大の強みは、同時に世界中で公演できることです」— チェ・ヨンホ代表 · ロボットパーク現場にて
人のワールドツアーが数か月かけて都市を巡る営みだとすれば、ロボットのワールドツアーは同じ瞬間に複数の大陸で開かれる公演だ。ギャラクシーはこの方式のロボットコンサート・ワールドツアーを2026年末から準備している。
疲れを知らないステージ — 常設運営
パイプラインの終着点は、常設公演という運営モデルだ。ロボットには体力の制約がないため、1日4回以上・年間1,000回以上の公演が成立する。人の舞台ではあり得ない規模だ。ギャラクシーロボットパークは、グランドオープン後にこのモデルで「K-POPロボットアリーナ」を運営することを目標にしている。
需要はすでに確認された。2026年7月のプレオープン予約には約8,000人が集まり、週末公演は全回早期完売した。技術パイプラインが実際の興行につながった事例である。公演を直接見るなら、ギャラクシーロボットパークFAQで観覧案内を確認できる。